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匂いと記憶

帰り道の途中ふと覚えのある匂いを感じました。
リンゴのむいた後の皮の匂い。

ほんの数歩分の距離を歩いただけでその匂いの場所を通り過ぎてしまったけれど、かわりに小学生の時の飼育委員だった自分が立ちのぼってきました。

学校では鶏とうさぎを飼っていました。
ひとつの小屋を内側で2分割した作りで、うさぎ小屋の出入り口から入ると真ん中の仕切りに鶏小屋に入る扉がついていて、鶏の世話をするときはまずうさぎ小屋に入ります。まあ、両方まとめて世話するんだから支障はないんですけど。

うちから野菜くずを持っていったり、兼業農家だったのでなにかと出る食用にならない野菜をもっていったり、近くの中学校の校庭の隅っこにでクローバーがもさもさ繁っていたのでそれを袋いっぱいに摘んで持っていったり。

冬はリンゴの皮です。リンゴは6人家族で毎日食べていたので何日分かのリンゴの皮を集めて持っていきます。
この何日か分、というのがリンゴの皮の匂いを醸造するのですね。甘酸っぱく、湿った香り。
りんごなるべく厚く皮むいてね、と母に頼んだりしてね。

そうやって持って行ったエサをむしゃむしゃと食べるのを見るのが好きでした。しかし今思い返してみると、ほかには何食べていたんでしょう。
エサを持っていくのは飼育委員の仕事だったという覚えはありません。私が好きでやっていたと思うのですが。それとも仕事だったのかな。
いまどきのようにうさぎ専用のエサがあったわけじゃなし、ほかには何食べさせていたんだろう。

うさぎ小屋にはボスという名のグレーの毛並みの堂々とした雄うさぎと、その妻のパンダという名の雌うさぎがいました。
パンダは白い毛並みに眼元が茶色の毛の、ふっくら感とは反対のやせ気味の骨ホネした体つき。それとその子供たちという構成。

隣りの鶏小屋は、雄鶏一羽と雌鶏何羽か。この雄鶏が凶暴で、水替えや掃除のために入っていくと、攻撃する機をうかがってこちらをずっと気にしています。
後ろを見せるとすすすっと近づいてきて、こここっと鋭いくちばしでつついてきます。ジーパンの上からやられて血がにじむ力強さ。慣れなくてもいいから少しは気にしないでくれよと何度思ったことか。

ああでも、産んだ卵をそのたび取られちゃうんだもんね、怒るはずだわ。この卵はそのたび殻に採取日を書いて早朝に職員室の冷蔵庫に入れに行きます。これは多分先生たちが順番で食べていたんでしょうね。
当時もその認識はあったはずですが深く考えていなかった。でも今思い返すとなんか…だわ。うまく言えないけど。
多分当時も今と同じ、なんか…という気持をいだいていたんだろうな。今も昔もうまく言い表せないけど。

りんごの皮の匂いがきっかけで溢れるように湧きあがってきた当時の記憶。はっきり覚えていたこともあれば、すっかり忘れていた出来ごともあり、感情も再現されて、経った年月分薄まってはいるものの、困ったり怒ったり。

…嬉しかったことの記憶って何で少ないんでしょうね。もっとあったはずなのに。


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